現代病 中医師 漢 方
弁証弁証…【気血両虚証】の方に使用
【症状】
全身状態の低下や貧血、皮下出血などがある方が使用します。
顔色は白く浮腫(むくみ)状、食欲不振、微熱、めまいや立ちくらみ、白血球や血小板の減少、貧血、皮膚や粘膜の出血。
舌;淡または赤。舌苔;薄白。脈;細または細数。

方剤適応症状

十全大補湯

本証に適合する方剤としてよく用いられます。

人参養栄湯

咳漱、不眠、寝汗、動悸などを伴う方が使用します。

補中益気湯

起立性低血圧症や胃下垂を伴う方が使用します。

六君子湯合四物湯

本証に適合する合方です。

帰脾湯

出血斑があるものに良いです。


【目的】
●悪性腫瘍に対する化学療法や放射線療法の副作用は、胃腸障害(嘔気・嘔吐、下痢、食欲不振)、造血障害(白血球・血小板減少、貧血)、肝腎障害、膀胱直腸障害(血尿、下血)、全身倦怠感、皮膚硬結性浮腫(むくみ)、神経障害など多岐にわたると共に、精神不安も相まって種々の不定愁訴がみられる。これらに対して、一般には複数の対症療法を組み合わせて行うが、全身状態の改善や副作用の軽減に対して漢方薬が果たす役割は大きいです。
●中国では抗癌治療の副作用軽減のため漢方薬の併用が一般化しており、日本でも最近は相当普及してきています。

弁証弁証…【気陰両虚証】の方に使用
【症状】
倦怠感があり微熱や不眠のある方が使用します。
易疲労感いらいらする、のぼせ感や体のほてり感、動悸、残尿感や頻尿。
舌質;やや淡で舌尖が赤。舌苔。;無。脈;虚数または細数。

方剤適応症状

真武湯

本証に適合する方剤です。

人参湯合八味地黄丸

冷えや浮腫(むくみ)、食欲不振のつよい方が使用します。


弁証弁証…【脾胃虚弱証】の方に使用
【症状】
胃腸障害や肝障害のある方が使用します。
食欲不振、腹部膨満、腹痛、下痢、悪心や嘔吐。
舌質;淡。舌苔;白。脈;沈細。

方剤適応症状

六君子湯

本証に対する基本方剤です。食欲不振に良いです。

小半夏加茯苓湯

悪心嘔吐に対し、頓服として用います。

補中益気湯合五苓散

水様下痢と倦怠感が目立つ方が使用します。

小建中湯合大建中湯

服用しやすく、慢性化した方に良いです。


弁証弁証…【脾腎陽虚証】の方に使用
【症状】
倦怠感がつよく、食欲不振と腰痛のある方が使用します。
腰痛や下肢の脱力、腹満、頻尿、月経不順、体の冷え。
舌質;淡。舌苔;薄白。脈;沈緩。

方剤適応症状

炙甘草湯

動悸、不整脈、息切れのある方が使用します。

六味丸合六君子湯

本証に適合する合方です。

清心蓮子飲

残尿感や頻尿のある方が使用します。


弁証弁証…【腎陽虚証】の方に使用
【症状】
骨髄の造血障害や全身衰弱状態が続く方が使用します。
貧血、白血球減少、腎障害、浮腫(むくみ)、全身倦怠感、食欲不振、軟便、寒がりや四肢の冷え、腰や下肢の痛みやだるさ。
舌質;淡。舌体;腓大で歯痕がある。脈;沈細。

方剤適応症状

八味地黄丸

本証に対する基本方剤です。

牛車腎気丸

下肢のしびれ、痛み、浮腫(むくみ)などを伴う方が使用します。

補中益気湯合八味地黄丸

腎機能障害に良いです。


弁証弁証…【大腸湿熱証】の方に使用
【症状】
化学療法や放射線治療後の下痢や粘血便にあたる。
裏急後重、排便時の肛門の灼熱感、悪寒発熱、口渇。
舌質;赤。舌苔;黄臓。脈;滑数。
炎症や出血が治まれば、気血両虚証の方剤に代えます。

方剤適応症状

柴苓湯

本証によく用いられます。

黄連湯

悪心や胃部の不快感を伴う方が使用します。

黄連解毒湯

炎症症状のつよい方に用います。


弁証弁証…【膀胱湿熱証】の方に使用
【症状】
放射線治療や化学療法による膀胱のカタル性炎症で、しばしば血尿を伴う方が使用します。
頻尿、排尿時痛、残尿感、下腹部の緊満感 舌質;赤。舌苔;黄。脈;細数。
炎症や血尿が治まれば気血両虚証の方剤に代えます。

方剤適応症状

五淋散合猪苓湯

血尿があり炎症のつよい方が使用します。

猪苓湯合四物湯

慢性に経過し、尿のしぶりがつよい方が使用します。

柴苓湯

慢性に経過し、神経症の傾向がある方が使用します。