現代病 中医師 漢 方
弁証弁証…【肝気鬱結証】の方に使用
【症状】
ストレス性の方に多いです。
情緒不安定、ため息が多い、両脇や季肋部が脹って痛む、胸の煩悶感、喉の閉塞感や異物感、腹満感や腹痛。
舌質;淡紅。舌苔;薄白。脈;弦。

方剤適応症状

柴胡加竜骨牡蛎湯

動悸と抑うつ状態が目立つ方に使用します。

柴朴湯

咽喉のつまり感を伴う方に使用します。

柴胡桂枝乾姜湯

虚弱で、動悸、下痢などがある方に使用します。

加味逍遙散

更年期障害に伴う方に使用します。


【目的】
●本症は不安神経症の範疇に属しますが、一般に長期間の抗不安薬の服用を嫌う傾向があります。一方、漢方薬の本症に対する効果は比較的良好で、長期服用への抵抗感も比較的少ないです。
●本症は日頃から疲れやすく倦怠感を訴えるなど、虚弱体質の者に多くみられます。このような方に漢方薬で体力をつけていくと神経症も改善することが多いです。

弁証弁証…【心気血両虚証】の方に使用
【症状】
貧血症や虚弱症に多いです。
動悸、倦怠感、四肢の脱力感、不眠、めまい。
舌質;淡。舌苔;薄白または無苔。脈;細弱。

方剤適応症状

炙甘草湯

虚弱者の動悸や不整脈に対する代表方剤です。

炙甘草湯合酸棗仁湯

虚弱者の動悸や不整脈で不眠症のある方に使用します。

酸棗仁湯合当帰芍薬散

不眠、貧血症、月経不順などがある方に使用します。


弁証弁証…【心脾両虚証】の方に使用
【症状】
胃腸が弱く、神経質な人に多いです。
動悸、倦怠感、食欲不振、腹満、軟便、不眠。
舌質:淡。舌苔;白または厚臓。脈;沈細無力。

方剤適応症状

帰脾湯

本証に対する基本方剤です。

加味帰脾湯

のぼせ、ほてり、いらいらなどが加わる方に使用します。


弁証弁証…【水飲内停証】の方に使用
【症状】
(水毒証)
水分の摂取過多や肥満者などにみられます。
動揺性の高血圧症、動悸、低血圧症などを伴うことが多いです。
舌質;淡あるいは暗。舌苔;白臓。舌体;腓大で歯痕がある。脈;滑数。

方剤適応症状

五苓散

利尿剤としてよく用いる。

木防已湯

動悸、浮腫(むくみ)、胸苦しさなどがある方に使用します。

防巳黄耆湯

浮腫(むくみ)、全身倦怠感、尿量減少のある方に使用します。


【解説】
水飲内停証(水毒症);日本は湿度が高く、生ものや、お茶、ビールなどを多量に摂取するため、日本人には水分過多が多いです。
中医理論によると、臓腑の機能失調や寒湿の外邪の侵入などにより水液代謝が障害されて痰や水飲が形成されます。痰は粘凋なものを、水飲は透明で希薄なものを指します。水飲は肺や胃腸、胸脇部の組織間に停滞し、胸脇部に停まれば胸苦しさや胸痛、息切れなどを訴えるようになります。

弁証弁証…【陽虚証】の方に使用
【症状】
身体の冷える方に使用します。
疲れやすい、手足の冷えとむくみ、夜間頻尿、食欲不振、軟便と下痢。
舌質;淡。舌苔;白。脈;緩。

方剤適応症状

真武湯

下肢が冷えて、むくみがちの方に使用します。

苓桂朮甘湯

めまいを伴う方に使用します。

桂枝人参湯

虚弱で、胃腸の弱い方に使用します。