現代病 中医師 漢 方
弁証弁証…【気滞血瘀証】の方に使用
【症状】
本病によくみられる。
いらいらする、胸や上腹部が脹って息苦しい、肩こり、めまい、耳鳴り、不眠、頭痛。
子宮筋腫、月経血に凝血塊が多い。
舌質:暗で癖斑がある。舌下静脈:青黒く怒張。脈:弦または渋。

方剤適応症状

加味逍遙散

本病に適合する方剤でよく用いられる。

当帰芍薬散

虚弱で貧血気味。むくみがちの方に使用します。

桂枝茯苓丸

比較的体力があり、冷えてのぼせる方に使用します。

女神散

のぼせ、めまい、動悸、不眠などがある方に使用します。


【目的】
●本病は更年期婦人にみられる多彩な自律神経失調症状と、精神神経症状であります。西洋医学では性ホルモン剤、自律神経調整剤、精神安定剤などが用いられるが、副作用の点で使用を嫌うものも多いです。
一方、漢方医学では、昔から「血の道症」として、本病に対する経験が蓄積されており、有効な方剤も多いです。そこで西洋薬と漢方薬をうまく併用することで、治療効果を高めると共に、副作用を少なくすることができます。
●中医理論によると、更年期には腎虚となるが、多くの人は無症状であります。しかし腎虚の基礎の上に、表の分類に記した証が加わって始めて症状が現れます。

【解説】
●気滞血瘀証の症状は本病によくみられるので、他の証のものにも、しばしば気滞血瘀証に用いる方剤を合方します。
●本病に頻用される加味遣遥散は、気滞血瘀証と陰虚火旺証の合わさったタイプのものに良いです。

弁証弁証…【肝陽上抗証】の方に使用
【症状】
のぼせ症状が目立ち、体力のある方に使用します。
頭痛・顔面紅潮・眼球充血・耳鳴り・動悸・めまいなどの症状があり、時に急に増悪する。高血圧症の方に使用しますも多い、いらいらして怒りっぽい、口が苦い。
舌質:赤。舌苔:黄。脈:弦数。

方剤適応症状

大柴胡湯

体力があり、腹満や便秘を伴う方に使用します。

黄連解毒湯

のぼせ、いらいら、動悸などのつよい方に使用します。

三黄瀉心湯

体力があり、便秘する方に使用します。


弁証弁証…【陰虚火旺証】の方に使用
【症状】
のぼせ症状が目立ち、体力のない方に使用します。
潮熱と発汗(潮が満ちるように顔がほてり汗が出るが、数分後には潮が引くように熱感がさめる)。腰痛、胸苦しい、動悸、口渇、便秘、皮膚の乾燥と痒み。
舌質;赤。舌苔;少。脈;細数。

方剤適応症状

温清飲

熱感や皮膚の乾燥感、痒みなどがつよい方に使用します。

滋陰降火湯

乾性咳漱、寝汗などがある方に使用します。

六味丸合四物湯

基本方剤の合方。長期間服用させると良い。

黄連解毒湯

少量や短期間なら使用できる。


弁証弁証…【腎陽虚証】の方に使用
【症状】
冷え症の方に使用しますに多い。
腰や下肢が冷えて痛む、めまい、耳鳴り、脱毛、多尿または頻尿、顔色は白く浮腫状。
舌質:淡。舌苔:白。脈:沈弱。

方剤適応症状

八味地黄丸

腰痛、夜間多尿、下半身の冷えなどのある方に使用します。

牛車腎気丸

下肢の浮腫(むくみ)やしびれ感のある方に使用します。

温経湯

下肢や腰の冷えがつよく、貧血や皮膚の乾燥がある方に使用します。

+人参湯

胃の悪い時は、合方します。

+六君子湯

胃の悪い時は、合方します。


弁証弁証…【気血両虚(気血不足)証】の方に使用
【症状】
脱力感のつよい方に使用しますに多い。
元気がない、自汗、顔色は淡白またはくすんだ黄色、貧血、動悸、不眠。
舌質:淡で徽。脈:細弱無力。

方剤適応症状

十全大補湯

本証に適合します方剤。

人参養栄湯

不眠や動悸のある方に使用します。

加味帰脾湯

不眠や不安のある方に使用します。