現代病 中医師 漢 方
弁証弁証…【火旺証】の方に使用
【症状】
初期や増悪期で、口渇や精神的興奮などのあるもの。
口渇が甚だしい、微熱、いらいら、口が苦い、鼻出血、身体が痒い、皮膚の化膿瘡、便秘。
舌質;紅緯で舌表面が乾燥。脈;数。
方剤適応症状

白虎加人参湯

本証に適合する処方です。

白虎加人参湯合黄連解毒湯

本証に適合する処方です。

三黄瀉心湯

胸の煩悶感、不眠、口内炎などの心火旺証に使用します。

竜胆瀉肝湯

頭痛、いらいら・めまい・眼球充血などの肝火旺証に使用します。

大柴胡湯

頭痛、いらいら・めまい・眼球充血などの肝火旺証に使用します。

清肺湯

空咳、黄色粘稠痰、甚だしい口渇などの肺火旺証に使用します。

小柴胡湯加桔梗石膏

歯齦炎、口臭、黄色舌苔などの胃火旺証に使用します。

黄連解毒湯

歯齦炎、口臭、黄色舌苔などの胃火旺証に使用します。


【目的】
様々な程度の糖尿病に対して、食事と運動療法、経口治療薬、インシュリン注射などによる血糖コントロールの基礎の上に漢方治療を併用すると、次のような利点があります。
●全身状態が改善され、易疲労感、易感染性、脱力感などが軽くなると共に、糖尿病の病状の安定もしくは軽減がもたらされます。
●特に異常発汗、胃腸障害、微熱などの糖尿病性自律神経障害が改善されます。
●ひいては糖尿病による微小循環障害や末梢神経障害などにも良い影響が期待できます。
●糖尿病性腎症に対して、柴苓湯を始めとして漢方薬による尿中蛋白減少効果があります。

【解説】
火旺証;火が盛んに燃え上がっている状態を比楡している。病変が上へ向かう特徴があります。火証には実証と虚証があり、火旺証は実証に、一方、陰虚火旺証は虚証に属する。糖尿病の火旺証は胃火旺証が主であり、胃火旺証は激しい口渇と空腹感が特徴であります。
その他には肺火旺証、肝火旺証などがあります。

弁証弁証…【陰虚証】の方に使用
【症状】
本病に最も基本的な証です。
中医学では、糖尿病の基本は陰虚証と考えられています。
口渇、手足のほてり、寝汗、体がだるい。
舌質;赤。舌苔;無または乾燥した薄白苔。
脈;細または細数。

方剤適応症状

六味丸合麦門冬湯

本証に適合する合方です。

清心蓮子飲合六味丸

不眠、動悸、のぼせなどを伴う方に使用します。

麦門冬飲子

本証に適合します。
糖尿病モデルのラットに八味丸、麦門冬飲子をそれぞれ投与して比較すると、麦門冬飲子の方が血糖を抑制する働きが強いことが分かりました。


弁証弁証…【気陰両虚証】の方に使用
【症状】
体がだるい方です。
上記の陰虚証に以下の気虚症状が加わったもの、 体がだるく何もしたくない、暑くないのに自然に汗が出る(自汗)。
舌質;淡、胖大、舌辺縁に歯痕があります。
脈;弱または細弱。

方剤適応症状

炙甘草湯合麦門冬湯

本証に適合する合方です。

清暑益気湯

息切れ、声が小さく途切れる方に使用します。


弁証弁証…【腎陽虚証】の方に使用
【症状】
糖尿病性腎症、下肢の神経障害などを伴う方に多いです。
寒がりと四肢の冷え、陰萎、不消化便、多尿で尿は薄いです。
舌質;淡嫩。舌苔;淡白。
脈;細弱または沈弱。

方剤適応症状

八味地黄丸

一般的な腎陽虚証に用います。または腎障害の合併にも使用します。

牛車腎気丸

下肢のしびれなどを合併する方に使用します。

+六君子湯

上記方剤で胃の障害があれば、合方します。


弁証弁証…【脾腎陽虚証】の方に使用
【症状】
糖尿病性の胃腸障害や腎症の方によくみられます。
下痢や不消化便、食欲不振、腰や膝が冷えて痛む、顔色は白くやや浮腫状です。
舌質;淡。舌体;胖大。舌苔;白滑。
脈;虚または沈細。

方剤適応症状

真武湯

本証に適合する方剤です。

六君子湯合八味地黄丸

嘔気、腹満のあります方に使用します。

補中益気湯合八味地黄丸

胃下垂があり元気のない方に使用します。


弁証弁証…【瘀血証】の方に使用
【症状】
動脈硬化がつよいものや末梢神経障害のものに多いです。
顔面に痂斑があります、目の周りの青黒いくま、頬に、管が浮き出ている、四肢の痛みとしびれ、脳卒中後遺、狭心症。
舌下静脈;青紫色で怒張。舌質;暗紫色で痂斑があります。
脈;渋。

方剤適応症状

桂枝茯苓丸

糖尿病性神経障害や四肢が冷える方に使用します。

当帰飲子

糖尿病性の皮膚症状に良いです。

四物湯合桂枝加朮附湯

末梢神経障害による上肢のしびれ感に良いです。

桂枝茯苓丸合桂枝加朮附湯

末梢神経障害による上肢のしびれ感に良いです。

牛車腎気丸合桂枝茯苓丸

末梢神経障害による下肢のしびれ感に良いです。


弁証【臨床研究により有効】の方に使用
【症状】
、臨床研究などにより有効と認められ、よく用い られるものです。
方剤適応症状

柴苓湯

糖尿病性腎症に良いです。

八味地黄丸

糖尿病性腎症で経過の長い方に使用します。


弁証【眼合併症】の方に使用
【症状】
糖尿病による眼合併症に用いられるものです。
方剤適応症状

八味地黄丸

糖尿離白内障に使用します。

牛車腎気丸

糖尿離白内障に使用します。

柴苓湯

糖尿病性黄斑浮腫に用います。


弁証【肥満】の方に使用
【症状】
糖尿病の背景としての肥満によく用いられるものです。
方剤適応症状

防風通聖散

一般的な肥満によく用いられます。

大柴胡湯

肥満で高血圧やのぼせ症の方に使用します。