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2.症状対応

  質問
生理痛に効<漢方薬は何なの?  

  答え
当帰芍薬散がいいです。疲れやすく血虚(漢方的に血液が少ないため栄養が行き届かなくて貧血や生理の血液も28日分ためておけなし、症状になって表れる)があります。レバー状のものが出るのは漢方では瘀血(うっ血状態や生理活性の低下した血液状態)と考えます。血液を補い(当帰・芍薬)栄養をつけて血液のめぐりを良くすることにより(当帰・川芎),体を温め内分泌機能を調整して子宮筋の収縮を調整(当帰・芍薬・川芎)します。当帰持薬散は利水作用(白朮・茯苓・沢瀉)もあるので浮腫(むくみ)やめまいのある人にも適応します。場合によりイブやバファリンなどの鎮痛薬との併用もできます(この方には安中散と芍薬甘草湯をご紹介しました)。
桂枝茯苓丸は同様に瘀血症状があり生理痛のときによく用いますが、血虚のある方は嘔吐したり疲れやすくなったり経血が止まらなくなる可能性もあります。その場合には人参四物湯と併用する方法もあります。生理痛の背後には子宮筋腫などの婦人科疾患がある場合もあるので念のため受診をおすすめします。
類方鑑別
桂枝茯苓丸:疾湿や血虚の傾向が少なく下腹部の自発痛・圧痛がより顕著な場合に用います。
加味逍遙散:精神不安`不眠などの神経症状や熱証があって,多彩な愁訴をより強く訴える場合に用います。
当帰四逆加呉茱萸生姜湯:四肢冷感が一層顕著で,腹部・腰部・下肢が痛む場合に用います。

【参考】血虚
血のもつ滋養(栄養・滋潤)作用の低下と物質的基礎の不足のことで、これに伴って内分泌調整異常・血液循環不良・自律神経系や神経系の失調として現れます。
 

区切り