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2.症状対応

  質問
鎮痛薬として、芍薬甘草湯を長期に服用しても良いの?  

  答え
芍薬甘草湯は、その名の通り、芍薬と甘草の2つの生薬構成で成り立っています。どちらも鎮痛、鎮痙鎮静作用などがあり、併用することで作用が増強することから、漢方薬の鎮痛薬として知られています。 芍薬甘草湯は甘草の含有量が多い製剤であり、甘草の副作用として、偽アルドステロン症、低カリウム血症、ミオパシーなどがみられることがあります。したがって、芍薬甘草湯は、一般的には頓服で用いるか、あるいは他の方剤と併用するほうが望ましいでしょう。しかし、臨床的には長期服用に際しても、実際には、上記のような副作用が認められることはほとんどまれですが、やはり長期服用のケースにおいては十分な経過観察が望ましいと思われます。場合によっては、方剤のバランスをとるため白朮、茯苓などの利水薬の配合も必要であるかと考えます。 なお、芍薬の性質は寒であり、本剤は芍薬の含有量も多いことから寒証の患者に対する長期連用には注意が必要です。そのため、寒証の人で、手足などが冷え同様な痛みを呈する人には、附子を加味した芍薬甘草附子湯を用いるほうがよいでしょう。  

区切り